原弘の仕事からみる 戦後のブック・デザイン

会期
2006年7月31日~2006年12月22日
会場
Pam A館 Exhibition Zone

原弘(1903-86)は戦前・戦後を代表するグラフィック・デザイナーです。原の戦後の主な仕事のひとつにブック・デザインがあげられます。原が手がけたブック・デザインは千点をゆうに超えるといわれています。その功績から1960-70年代には、ブック・デザインの第一人者として位置づけられるようになりました。

原弘は「学者タイプ」のデザイナーだと評されることがあります。原のブック・デザインの中には、計算しつくされた端正なものを多くみることができます。これは、若いころから海外のデザインを積極的に学び、それを咀嚼して日本で通用できるものにした深い知識に裏付けされています。

また彼は、ブック・デザインに必要な良質の材料を得るため、ファンシーペーパーの開発にも意欲的に関わりました。特種製紙のアングルカラー、マーメイドなども、多くのブック・デザインを手がけた原弘の現場の意見が反映されて完成した製品です。

原弘は、数えきれないほどの書籍を自身のデザインに対する真摯な姿勢により手がけることで、戦後の日本グラフィック・デザイン界におけるひとつの指針を示しました。
本展では、原弘デザインによる膨大な書籍の中から代表作を紹介し、戦後日本のブック・デザインの原点を探ります。

原弘の仕事からみる 戦後のブック・デザイン
会場写真