
「創立者佐伯勝太郎博士は、乞われてこの地に会社の基礎を固め、当時革新の技術を以って特殊紙の製造を試む。(中略)欧米に劣らぬ特殊紙の国産化こそ、博士の夢と至情の発露であった。かつては官に在り、日本の製紙業界を指導育成する立場にあった博士が、たとえ製紙技術の最高研究者とは謂え、一私企業を興すと謂うことは並々ならぬ決意であったことと思う。」
「思い出五十年:渡辺薫 著」序文

92歳の老人が、永い体験の中から1つの覚悟を話しておきたい。「およそ何事をなすにも最も大切なのは信頼である。(中略)信頼は急に出来るものではない。毎日毎日の仕事からだんだんに出て来るもの。即ち、自分の仕事に対して責任を重んじ、一旦口で言ったことは必ず実行する。約束した以上は決して違えないということが土台となって、それから信頼が生まれ出るのである。」
存命中最後の講演。大倉高等商業学校にて(1928年)
