井川社有林の
概要

地理

本州の中央部、長野・静岡・山梨の3県にまたがる南アルプスは、わが国最大規模の山岳地として知られています。その中で井川社有林は、くさび状に突出した静岡県の最北端、大井川の最上流部に位置した、東西の最広部約13km、南北約33kmの1団地で面積は約24,430ha。これは、民間が日本国内に所有する1団地としては最も広く、東京のJR山手線で囲まれる面積の約4倍に相当します。

井川社有林は、最北端にわが国第3位の高峰、標高3,190mの間ノ岳(あいのだけ)がそびえ、東側(山梨県境)を農鳥岳・笊ヶ岳(ざるがたけ)をはじめとする白根山系と、西側(長野県境)を塩見岳・荒川岳をはじめとする赤石山系とにはさまれた急崚な奥地山岳林でそのほぼ中央を大井川が幾多の支流を集め南流し、最も低い部分の標高は約960mとなっています。

歴史

  • 江戸時代 井川社有林一帯は駿府の国の防御線としての直轄地(天領)であった
    紀伊国屋文左衛門らが大井川上流部で幕府御用材を伐採
1895
  • 1895年 当社創業者である大倉喜八郎が購入
    東京帝大助教授の右田半四郎に山林調査を依頼
    その結果、豊富な森林資源・水資源の存在が判明
1900
  • 1907年豊富な森林・水資源を活かすため、当社前身となる東海紙料(株)が創立
  • 1912年木材生産事業開始
  • 1926年大倉喜八郎赤石岳登頂
  • 1964年南アルプス国立公園指定
    これを機に、静岡県などにより登山小屋が整備され、登山客が増加
  • 1974年二軒小屋ロッヂ完成
  • 1978年椹島ロッヂ営業開始
  • 1979年宿泊客向け送迎バスの運行を開始
  • 1982年台風による被害で木材生産事業中断
  • 1986年
    浩宮殿下荒川・赤石岳登山
  • 1990年代各登山小屋がリニューアル
2000
  • 2007年南アルプス白簱史朗写真館完成
  • 2009年二軒小屋ロッヂ新館完成
  • 2014年井川社有林全域がユネスコエコパークに登録
  • 2020年井川蒸溜所開所
  • 赤石岳山頂に立つ創業者大倉喜八郎

  • チェンソー導入前の伐採作業

  • 川の流れを利用して木材を運搬した川狩り

  • 1974年に完成した二軒小屋ロッヂ

理念・方針

井川社有林は、本州中央部、南アルプスの最奥部に位置する約24,000haの広大な社有林です。大井川の源流部に広がり、森林、渓谷、高山帯までを含む多様な自然環境を有しています。

当社は、この地を永年にわたり保全・管理してきた歴史を背景に、以下の基本理念を定めました。

当社は将来にわたりこの基本理念を遵守し、井川社有林の自然環境の保全と活用の好循環を実現することで、社会への貢献とグループとしての企業価値向上を目指していきます。

基本理念

自然を守り、自然を活かす

世界的に環境問題が深刻化し森林の減少や劣化が進む現代において、当社が井川社有林をより自然度の高い状態に導き貴重な生物を保護し共生していくことは、当然の責務であると考えます。
一方、現在、井川社有林の尊い自然環境を求め登山や渓流釣りのお客様など年間延べ24,000人の人々が入山しています。当社は尊い自然を保護するだけではなく、こうした人々や自然を満喫する人々をより広く受け入れ、ゆとりと安らぎとを提供することで社会に貢献したいと考えています。

長期運営方針

  1. 全山を一体管理
    広大な井川社有林を一体として当社が主体的に管理と経営を行うことで、基本理念に則った全体として統一感のある保全と利活用を推進していきます。
  2. 自然を広域に厳格管理
    井川社有林には河川・渓流を含めてわが国有数規模で原生的自然が存在しています。
    これらの場所を対象に、ユネスコエコパークの理念をさらに進化させて自主的に自然保護地区と林地保全地区を設定しています。自然保護地区は自然の力を利用してより自然度の高い状態に誘導していきます。
  3. 自然と活用の調和をはかる
    自然環境の保護・保全を最優先としながらも、自然環境の恩恵を有効に活用することで、社会に対し心豊かな生活を提供します。
  4. 地域一体の活動
    今後様々な分野で地元との連携を深め、お互いを補完するために、協働の精神でより強固な協調体制を築きます。地区の発展に寄与し、社会的責任を果たしていきます。

事業内容

井川社有林では、その活用の方針を「観光事業と森林資源を活用した事業の推進」とし、事業展開をしています。

現在、関係会社の特種東海フォレストが椹島の自然ふれあいセンター、登山小屋など10か所の静岡県・静岡市の登山小屋・避難小屋の管理を受託して営業しています。また、十山がウイスキー事業などを行っています。

二軒小屋

二軒小屋は井川社有林のほぼ中央に位置します。木々の緑、清らかな川の流れ、澄み渡る空気など、人里離れた場所だからこそ味わえる安らぎがあります。日常の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。永らく休業していましたが、2026年度から井川蒸溜所見学を中心とする企画や南アルプスの山々の登山を含む企画などを通じて、井川社有林の価値を社会に紹介する拠点として活用してまいります。

椹島

南アルプス南部の山々への登山口となる椹島。
夏は南アルプスの盟主と言われる赤石岳などへの登山客で賑わいます。研修スペースも完備しており、団体での利用も可能です。

レストハウス

現地のカラマツやサワラを使って建てました。
軽食を取ったり飲み物を飲んだり、一息つきながら、登山の疲れを取ることができます。南アルプス産の蜂蜜など、ここでしか買えないお土産物が揃っています。

  • 周辺の緑と調和した外観

  • 暖炉の前で軽食を楽しむ

南アルプス白簱史朗写真館

当社前身の東海パルプが創立100周年事業の一環として2007年に建設した、山岳写真の第一人者・白簱史朗氏の写真館で、大型写真パネルを常時20点程度展示しています。
井川社有林の素材を生かした写真館は建物としても評価が高く、2008年の日本ログハウス協会「ログハウス建築コンテスト」で農林水産大臣賞を受賞しました。

入館料 200円
開館時間 9時~17時
  • 迫力ある木造の外観

  • 柱や梁が露になっている2階展示室

井川社有林の
楽しみ方

井川社有林の最大の魅力は、何と言ってもその豊かな自然です。その大自然を様々な方法で楽しみ、感じていただくことができます。

登山

我が国有数の山岳地帯で3,000mを超える山が10山あり、間ノ岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳の5山は、深田久弥著「日本百名山」に選ばれています。南アルプスの特徴である「静かで奥深い山々」をご堪能ください。

  • 荒川岳のお花畑を赤石岳に向けて進む

  • 千枚小屋から見た富士山と日の出

釣り

国内最大級の完全予約制の「特設釣り場」をはじめとする大井川の最上流部の大自然に囲まれた清流で、イワナやアマゴといった渓流釣りをゆっくりとお楽しみいただけます。

  • 大自然の中で魚と対峙する

  • 良型のアマゴに満足

散策

椹島ロッヂや二軒小屋ロッヂを拠点とした散策では、街中の生活では見ることのできない素晴らしい景色の中、ゆったりとした時間をお過ごしいただき、英気を養っていただけます。

  • 湖面が美しい田代湖

  • 牛首峠から見る赤石岳

  • 雪解け水を湛える赤石沢と上河内岳

  • 鮮やかな紅葉

  • 上河内岳と赤石ダム

  • 「山」という形に伸びた木で記念撮影